ダックス! 【小説ブログ】

とりあえずつらつらと小説を書き綴っていくブログであります。不束者ですが精進します・・・。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

天使の協奏曲 第十話

初めての方へ↓ 読者案内 *第十話* これは・・・前にも感じたことがある。確か魂だけの体からもとの体に戻ろうとして、自分の体にさわったときだ。 本当にそれと同じであればこのあと体が軽くなり意識を失うはず。しかし、それは起こらず、代わりに聞いたこ…

天使の協奏曲 第九話

初めての方へ↓ 読者案内 *第九話* ふりむいた先にいたのは、やはりあの男の子だった。痛いくらい私の腕を握っている。私は最初殴ったことに怒っているのだと思ったが、アザのできた男の子の顔は、哀しくこちらを見つめていた。 男の子は表情を変えず、言っ…

天使の協奏曲 第八話

初めての方へ↓ 読者案内 *第八話* 男の子はとてもうれしそうに言った。私は横目で「・・・そう」と言い、静かに立ち上がる。そして、私は強く言い放った。 「じゃあ、その『神様』に言ってよ! 私はもう生きたくないから殺してって!! 神様が私はつくった…

天使の協奏曲 第七話

初めての方へ↓ 読者案内 *第七話* そう言うと同時に、私は男の子を怒りに満ちた目でにらみつけた。自分でも今の顔はすごくこわいんだろうなって思うほどなのに、男の子は全く動じない。それどころか、「それよりこわいものを知っている」とでも言いたげな…

天使の協奏曲 第六話

初めての方へ↓ 読者案内 *第六話* 『・・・おーい、大丈夫? どうしたの、いきなり・・・。』 頭上から男の子に呼びかけられ、私は飛び起きる。あたりを見回し、自分の状況を確認した。 これは・・・もとの体に戻った・・・? 魂だけになったら、もとの体…

天使の協奏曲 第五話

初めての方へ↓ 読者案内 *第五話* 着ている服、肌、髪の色、靴、顔型から体型までそっくりそのまま私だった。 ぴくりとも動かない・・・。どうして私の体が・・・? じゃあ今いる私はなに? まさか私とまったく同じ人がいた、なんてあるわけないだろうし・…

天使の協奏曲 第四話

初めての方へ↓ 読者案内 *第四話* 男の子の真剣な表情に少し違和感を覚えながら、私は答える。 「そ、そうだよ。それがどうしたっていうの。」 それを聞いた瞬間男の子の顔は青ざめた。口だけパクパクと動かし、震える指で私を指さす。 そしてしばらくあわ…

天使の協奏曲 第三話

初めての方へ↓ 読者案内 *第三話* 「あのねえ、あなた私を仲間だと思ってるの? 全っっ然ちがう! 私はあなたみたいに翼なんか生えてない! 見ればわかるでしょ!」 私は相手をにらみつけたまま言い切る。男の子は『え?』と言ったあと、私の体を頭のてっ…

天使の協奏曲 第二話

初めての方へ↓ 読者案内 *第二話* 流される・・・。私はいつ死ぬんだろう・・・どこへ行くんだろう・・ その時、まぶたの奥の奥で、なにかがきらめいた。 『うわあ! 信じられない! ボクとおんなじだあ!』 「・・・え?」 突然響いた声に反応し、私はま…

天使の協奏曲 第一話

初めての方へ↓ 読者案内 ********************************* 恐れるな。わたしはあなたとともにいる。 たじろぐな。わたしがあなたの神だから。 わたしはあなたを強め、あなたを助け、 わたしの義の右の手であなたを守る。…